6月上旬、軽井沢も梅雨の季節です。
雨の日の気温は、日中が20℃以下、夜は10℃ほど。
梅雨になり雨が続くとジメジメ。
気分までどんよりしてしまいがちですが、軽井沢では気温が低いためか、あまり不快には感じません。
外に出れば、極々細かいミストが森の薫りと混ざり合い身体中を包みこんでくれるよう。森林のシャワーを浴びているみたいで、とても気持ちがいいんです。
さらに、雨の時期ならではの美しい景色も見られます。
雨に濡れた草木の緑は生き生きと輝き、軽井沢ならでは景観を作り出す「苔」たちも美しく艶やかに成長していきます。
ビロードような厚みのある苔が作り出す軽井沢の風景。
特に碓氷峠で発生した霧がたっぷりと降りてくる「旧軽井沢エリア」には美しい苔を見ることができます。軽井沢ならでは気候と森、惜しまぬ手間暇が苔を育てています。
前回ご紹介した「カフェ ラフィーネ」さんの見事な苔庭を目の当たりにした私。もっともっと美しい苔を見たくなってしまいました。
なので、降ったり止んだりの梅雨空の下、つやっつやの苔を求めてお散歩へ出かけます。
私のお気に入り、麗しの「苔」スポットを紹介いたしますね。
この日の空色は?
(矢ヶ崎公園にて)
この日の空はこんな様子。時折、小雨が降る分厚い雲に覆われた重たい空。
大雨は大変だけど、小雨の中をちょっぴり濡れながら歩くのって気持ちいいんですよ〜
室生犀星記念館
旧軽井沢で苔を愛でるなら、ここは外せません。
日本文学を代表する詩人・小説家の「室生犀星」が昭和6年(1931)〜昭和36年(1961)まで、毎夏を過ごしていた別荘です。現在は修繕・改装され、記念館として保存されています。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの〜」
この有名な詩は室生犀星の作。心に沁みますね。
室生犀星自身が築いたこだわり抜いた和風の山荘と苔庭がとても見事。
私は特に苔庭の美しさに心を奪われ、何度を足を運んでしまいます。
室生犀星はこの庭をこよなく愛し、全体が見渡せる縁側に腰掛けて眺めていたのだそう。
記念館を管理されているスタッフの方がお話をしてくれました。
実際に縁側に座り写真を撮ってみました。なるほど庭一面が見渡せますね。
雨に濡れ、翡翠色に輝く苔が目にも眩いです。
「コウヤマンネングサ」は日本に自生しているコケでは最も大型の種類。他の苔よりもモフモフフサフサしています。
「犀星自身が山に登って採取し、手植えをされたんですよ」と、ベテランスタッフの方が優しく教えてくださいました。
茶色く見えるところは去年の苔、黄緑色のが今年生えてきた苔。
7月にかけて全体が黄緑色になっていくんですって。
「コウヤマンネングサ」は苔全体がまだまだ成長期。
このお庭の苔はもっともっと美しくなっていくんですね。
苔庭のお手入れは根気と手間暇が必要です。木陰を作る樹木のお手入れに湿度の管理。
軽井沢は湿気が多く、苔は育ちやすいそうですが、真夏は一日3回ほど水を撒くとのこと。
「一番大変なことは?」と尋ねると、風に乗って降り落ちてくる「種子」を拾うことなのだそうです。
種子が芽を出して苔を押し退けてしまう前に、取り除かないといけないのだけれど、尋常じゃないほどの量が頻繁に降ってくる。しかも苔が傷まないよう、全て手作業で取り除かなければならない。
これは、想像しただけでも大変!!
美しいお庭の影には様々な苦労があるですよね。
これからも感謝を忘れず、拝見させていただきます。
散歩道の端で拾ったモミジ?の種子。これらを拾っておられるんですね。
室生犀星記念館の情報
アクセス | 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢979-3 Map |
交通 | <車>上信越道碓氷軽井沢ICより 約20分 <徒歩>JR軽井沢駅より 約27分 |
開館期間 | 4月29日〜11月5日 期間中無休 |
開館時間 | 9時〜17時(最終入館16時30分) |
入館料 | 無料 |
駐車場 | なし |
備考 | 道が狭いので、記念館へ車での乗り入れはできません、近隣駐車場の利用が必要です。 |
「室生犀星記念館」のお向かいにある「旧軽井沢Cafe 涼の音」さんのお庭もステキなんです!
軽井沢ショー記念礼拝堂
「軽井沢 ショー記念礼拝堂」は軽井沢最古の教会。軽井沢で初の別荘を建て、軽井沢開発の父といわれるカナダ人宣教師「A・C・ショー」が布教活動の拠点としていました。
軽井沢避暑地発祥の地であり、軽井沢のランドマーク。
旧軽井沢の象徴にふさわしく、教会のアプローチやお庭には厚みのある美しい苔が広がっています。
軽井沢 ショー記念礼拝堂の情報
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢57-1 Map |
アクセス | <車>上信越道碓氷軽井沢ICより 約25分 <徒歩>JR軽井沢駅より 約30分 |
会場時間 | 9~17時(冬期は16時まで) |
駐車場 | なし |
URL | https://nskk-chubu.org/church/16shaw/ |
水源地の道
旧軽井沢銀座を抜け、二手橋を渡り左に折れると「水源地の道」と呼ばれる山道に入ります。
古くからある浄水場へつながる道、かなり立派な別荘が立ち並んでいます。
5分ほど登ると大きな別荘の石垣が長く連なる、それはそれは壮観な景色を見みられるエリアがあり、しばしばお邪魔をさせていただいています。
公道なので通行は自由なのですが、大きな別荘の外観を楽しませていただいているので「お邪魔」している気分になるんですよね。
なるべく静かに歩くようにしています。
この浅間石の石垣が苔むす季節は、目の前が翡翠色の世界に。
大きな木立と緑の石垣が幻想の世界へ誘います。
クレソンリバーサイドストーリー旧軽井沢
ショー記念礼拝堂の道を挟んだお隣にあるレストラン&カフェ「クレソンリバーサイドストーリー旧軽井沢」。
2022年7月にオープンしたばかり。
絵本に出てくるお菓子屋さんのようなメルヘンティックな外観に、ふかふかの苔庭を眺めるテラス席がステキなお店です。
お店を作る際に “清流も苔の庭も木々も出来るだけそのままを残すように” と進められたとあって、豊かな自然に調和しています。
いつもは店の外の路上からお庭を楽しませてもらっていますが、この日は初めてスイーツを購入しようと店内へ。
店内もメルヘンでいっぱい
丸太のトンネルを抜けていくような店内通路。ワクワクしてきます。
今度はテラス席でカフェを楽しみたいな〜
奥にはレストラン、ジュースや焼き菓子などのショップ、そしてテイクアウト専門のパティスリーがあります。
アップルパイ、フィナンシェ、チーズケーキと惹かれるスイーツばかりですが、今回は「森のシュークリーム」を購入!
自家製カスタードを注文後に詰めてくれると聞いていて、ずっと気になっていたシュークリームです。
散歩のお土産!!
<森のシュークリーム:432円>
バニラビーンズがたっぷりのなめらかなカスタードと、ザクザク食感の香ばしいシュー♡
お家へ戻ってから美味しくいただきました♪
クレソンリバーサイドストーリー旧軽井沢の情報
住所 | 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢字木戸根680-1 Map |
アクセス | <車>上信越道碓氷軽井沢ICより 約25分 <徒歩>JR軽井沢駅より 約30分 |
駐車場 | あり/8台 |
TEL | 0267-46-8037 |
HP | https://www.cressonriver.jp |
散歩道の小景
最後に、お散歩をしながら心に留まった美しい「苔」の風景をいくつか。
雨降りな日の醍醐味です。
秋の散歩道と比較すると面白いかも。
関連記事として挙げておきますので、宜しければご覧下さい。
軽井沢の苔を愛でる「梅雨散歩」はいかがでしたか?
雨の日のお出かけはちょっと残念な気持ちになることが多いもの。
ですが雨や曇りの日にこその特別な風景に出会えることもありますよね。
軽井沢においでの方は、梅雨時期ならではの気持ち良さ・美しさを是非体感してみて下さいね。
ここまで読んでくださったあなたに感謝を込めて… よい一日を。
次回の投稿は 6月30日の予定