1月も終わりに近づいた、ある冷え込んだ午後。
私のもとに、一通の少し意外なメールが届きました。
中軽井沢にある「くつかけステイ」さんで、2月から開催されている「沖縄アグー豚フェア」の、メディア向け試食会への招待状でした。
「私のような個人ブログにお声がけいただけるなんて……」正直なところ、最初は少し戸惑い、ドギマギもしました。
けれど「くつかけステイ」さんは名前こそ知っていたものの、これまで足を運んだことのないお店。
散歩の途中、外から眺める木々に囲まれた和風のお庭の入り口の先が、どんな空間になっているのか、前から気になっていました。
軽井沢のお店のことを少し知るいい機会かもしれない。
軽井沢のことを日々書いている身として、地元で行われる食の取り組みを実際に体験できる機会は貴重ですし、以前から気になっていた「くつかけステイ」さんを訪ねる、ちょうど良いきっかけにもなりました。
そうして、思い切って参加してみることにしました。
陽だまりの暖簾をくぐって|くつかけステイ中軽井沢へ
当日は、1月下旬らしい凛とした寒さ。
薄曇りの空でしたが、時折差し込む太陽の光が、お店の入り口の暖簾に木の影を映し出していて、その静かな美しさに思わず足が止まりました。

一歩中へ入ると、天井が高く、モダンでありながらどこか落ち着く空間が広がっています。
この日は地元の新聞社の方々も集まっていて、少し恐縮しながらも、私もその中にお邪魔させていただきました。
沖縄と信州、二つの故郷が重なる物語|沖縄アグー豚フェア
今回のフェアは、長野県と沖縄県の連携協定から生まれた県内初開催の特別な取り組み。
アグー豚の美味しさを広めたい沖縄県と、良質な食材を大切にしながら、美味しいお料理を届けてきた「くつかけグループ」さん。
その想いが重なり、2月1日から28日までの1ヶ月間、軽井沢の2店舗と東京の1店舗で、アグー豚の限定メニューが登場します。
主役は、希少な 「沖縄アグー豚」。
今から600年以上前、中国から琉球王国へ伝わったのが始まりだという、深い歴史を持つブランド豚です。
名前は有名ですが、個体が小さく流通量も少ないため、沖縄県外ではなかなか出会えない特別な存在。
私自身も、これまで「これがアグー豚の味」とはっきり言える料理には、あまり出会ってこなかった気がします。
だからこそ、「本当はどんな味がするんだろう?」と、自然に興味が湧いてきました。
資料を拝見すると、旨み成分は通常の豚の約3倍ある一方で、コレステロール値は1/4以下。さらに、口に入れた瞬間にさらりと溶ける、脂の融点の低さも特徴なのだそうです。
「とても寒い冬の軽井沢で、温かい沖縄の空気を感じてもらいたい」総料理長の福元さんが語ってくださったその言葉通り、南国と高原、二つの土地が食卓の上で出会います。
その意外な組み合わせに、思わず興味をそそられました。
五感で味わう、三つの物語|沖縄アグー豚の料理たち
いよいよ試食の時間。
作りたての、熱々のお料理が運ばれてきました。

一目で「あ、ご馳走だ」と思える、春を感じさせる賑やかな一皿。
一口頬張ると、お出汁とアグーの旨みがじわっと溢れてきます。
脂身は甘く、それでいてスッと消えてしまう上品さ。
付け合わせの野菜は、すべて素材に合わせて調理法や味付けが工夫されていて、ひと皿の中に重ねられたこだわりが伝わってきました。
長芋や野沢菜、林檎といった信州らしい食材に、菜の花と金柑の彩り。
その色合いに、まだ遠いはずの春を少し先取りしたような気持ちになりました。

(ランチコース 6,250円〜 のメインチョイスとして提供)
思わず「美味しい…」と独り言が漏れてしまったのが、こちら。
軽井沢のアンワイナリーのシードルと、上田・大桂商店の白味噌を合わせ、低温でじっくりと火入れされています。
シードルの香りとお味噌のコクをそっと纏ったアグー豚の旨みは、口の中で濃厚なバターがとろけていくような感覚。
この白味噌は、フレンチの繊細さを邪魔しない、シェフも唸る名品なのだそう。
地元で親しまれてきた味が使われていると思うと、なんだか嬉しくなります。
紅玉のコンフィのほどよい酸味が、豚のまろやかさをやさしく引き締めてくれていました。
信州の素材たちが、主役の豚さんを最高のステージで盛り立てている… そんなことを感じさせてくれる、幸せな一皿でした。
割烹ダイニング波里(HARII)

まずは、透き通ったお出汁の香りに思わず深呼吸。
信州産の芹やきのこなど、山の幸の旨みが溶け込んだお出汁に、厚切りのアグー豚をくぐらせます。
「アグーはどんな料理にも合うから、開発のやりがいがあった」というシェフの言葉通り、繊細な和食のお出汁に角を立てることなく、それでいて、しっかりとアグー豚の旨みが感じられます。
驚くのは、その柔らかさとほのかな甘み。
脂に癖がなく、赤身はもちっとした上品な質感です。
あえて厚めにスライスされているからこそ、アグー豚の底力がよりダイレクトに伝わってきます。
なめこと野沢菜のぽん酢がまた、信州らしい爽やかさを添えていました。
最後は、この一皿一皿を生み出した料理長たちが勢揃い。


和やかな撮影会の様子を、感謝を込めて横からそそっと一枚…
温かな余韻と共に
今回の会場となったくつかけステイ中軽井沢は、かつての中山道・沓掛宿(くつかけじゅく)の歴史を受け継ぐ、全8室の小さな料理宿。古民家風の佇まいが素敵です。
敷地内のレストラン「くつかけダイニング」では、三浦直送の鮮魚や信州産の食材を使った、本格的な和食・会席料理などを朝・昼・夜と楽しめます。
試食会のあと、宿泊者専用のラウンジも少しだけ見学させていただきました。
木の温もりの中に、鮮やかなブルーのファブリックがさりげないアクセントになっていて、とても心地よい雰囲気です。

いい旅の時間が、過ごせそうだな
一歩外へ出ると、空気は相変わらずツンと冷たいまま。
けれど、お腹の底からじんわりと温まり、美味しい記憶で満たされた心は、来た時よりもずっと軽やかでした。
「今日のこと、帰ったらすぐに夫に話そう」そんなことを思いながら、ゆっくりと帰路に向かいます。
凍てつく軽井沢の冬に、ふと届いた沖縄からの美味しい便り。
最初は少しドギマギしたけれど、終わってみれば、お腹も心もふんわりと解きほぐされていました。
いつもの町で、こんな風に新しいものに出会えるのって、やっぱり嬉しいな。
📅 撮影日:2026.1.28
【くつかけステイグループ 沖縄アグー豚フェア】
期間:2026年2月1日(日)〜2月28日(土)
実施店舗
・くつかけステイ中軽井沢(中軽井沢/0267-46-8906)
・ルジェンド軽井沢(新軽井沢/0267-31-5440)
・割烹ダイニング波里 HARII(東京・丸の内/03-6812-2151)

今回の「沖縄アグー豚フェア」を軽井沢で楽しめるのは、以下の2店舗です!
料理宿 くつかけステイ中軽井沢(くつかけダイニング)
📍 長野県北佐久郡軽井沢町長倉3294-1
🚗 中軽井沢駅から車で約3分/徒歩約5分
🕒 モーニング 8:00〜9:00
ランチ 11:00〜15:00
ディナー 17:30〜21:00
📅 水・木曜日
※フェア期間中の営業日は、公式サイトをご確認ください
🅿️ 駐車場あり
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🔗 公式サイトはこちら
ルジェンド軽井沢
📍 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東25
🚶 軽井沢駅から徒歩約3分
🕒 ランチ 12:00〜13:30
ディナー 17:00〜20:00
📅火・水曜日
※フェア期間中の営業日は、公式サイトをご確認ください
🅿️ 駐車場なし
(近隣のコインパーキングをご利用ください)
🗺️ Googleマップで見る
🔗 公式サイトはこちら


